2009年5月15日金曜日

ざぼん漬けとボンタン飴のお話


今晩の食後は『九州豊の国・舟切りざぼん漬け』であった。原材料は、ざぼん、砂糖、水あめ、である。「いいねえ。」最近は原材料を見てシンプルな程なぜか嬉しくなる。キヨスクでお馴染みのボンタン飴を思い出す味だ。もちろん、こちらは本物の果皮だから、ざぼん漬けの方がしっかり歯ごたえがあり、かんきつの香りも強い。しっかりと砂糖がからみ、その甘味は思わず周りのざらざらした砂糖を洗い流したくなるほどだ。ボンタン飴はこれを別の材料から作ろうとしたものなのかも知れないとも思える。

ある雨の日、4歳の息子と井の頭線に乗る機会があった。息子が食物アレルギーを持っており、妻は神経質と思えるほどに着色料や香料の入っているお菓子を嫌う。「これなら大丈夫だろう。」と私は渋谷のホームでボンタン飴を買い与えた。息子の口に一粒含ませて座席に座った。息子は私の膝の上でボンタン飴の箱をあちこちから眺めていたが、そのうちに箱の中身を床に全部ばらまいてしまった。膝から飛び降りてあわてて拾おうとする息子は今にも泣き出しそうだったが落してしまったものを食べることはできない。ましてや雨の車両である。ボンタン飴を包んだオブラートはすぐに糊のようになってしまう。(京王線様ごめんなさい。)べたべたになってしまったボンタン飴を親子で拾い集めた。「また買ってあげるから大丈夫。」と言って聞かせた。それからしばらく息子は電車に乗ると「ボンタン飴買って。」とせがんでいたのを懐かしく思い出す。

今日の体重61キロ。

オフィスプロモ株式会社 代表取締役 古荘洋光