2011年6月20日月曜日

父の日のプレゼント

父の日の朝、息子が貯金箱をひっくり返している。いくらあるのか調べているのだ。父の日のプレゼントを買ってくれるという。そう言いつつ、妻と息子は出掛けていった。 午後3時過ぎに二人が帰ってきた。息子から私へのプレゼントはスーパーで買ったケロッグコーンフレークが一箱。息子は「これお父さんにね。これ、すごいんだよ、中にポケモンのシールが入っているんだよ。でも、ポケモンのシールは僕のだからね。」と言ったかと思うと、自分で箱を開けてしまった。(あっ、それ、お父さんにくれたんじゃ・・・。)妻はケーキを買ってきてくれた。じつは、私は密かに期待していたのだ。ホールケーキの上に「お父さんありがとう」と書いてあるチョコレート製のプレートを。いやあ、照れてしまうなあ。でも、それは息子にあげることにしよう・・・。「いいよ!父の日なんだからお父さんが食べなよ。」「じゃあ、半分にするか!」などと妄想していたのだが、実際にケーキの箱を開けて見たら、ケーキは丸くなく、そのような飾りはなく、食べたいものをいつものように手当たり次第に買ってきたという感じだった。(妻は自分が食べたかっただけらしい・・・)まあ、父の日なんていうものは、というか、父親なんてこんなものだ。私だって自分の父親にそれらしいことをしてあげられた記憶など無いのだから。 でも、本当は嬉しかったんだ。ありがとう。

オフィスプロモ株式会社 代表取締役 古荘洋光

2011年6月18日土曜日

バンコク都記

久しぶりにタイ料理をいただいた。吉祥寺で食べようと思って色々検索したら、吉祥寺にはタイ料理屋さんが数多くあるが『アリムタ食堂』というのがずば抜けている、と書いてある。聞いた事ないなあと思いつつ地図を調べてみると、「何だあそこか~。」いつも行くところじゃんか。う~ん、まあいいか・・・というわけで行ってきたのだ。色々食べたがきしめんを炒めた感じの料理だけは美味しかったなあ。しかし、遠くとも六本木の『バンコク』へ行くべきだった。あそこは本物だから。

タイには想い出がある。学生時代の同級生がタイからの帰国子女でその娘のバンコクの自宅にも遊びに行った。門からスイミングプールつきの住居まで曲がりくねった道が続いていて、両側はまあ日本の感覚で言えば延々と芝生が広がっている。その芝生の所々に男達がしゃがみこんで何かをしているのが見えた。ずっと歩いていって何をしているのかが分かった。芝生を床屋さんが使うような小さな鋏でチョキチョキと整えているのだ。私には芝刈り機ではないその小さな鋏が衝撃的に映った。部屋へ通されて冷たいお茶をお手伝いさんが運んできてくれた。同級生は「ありがとう」とも言わない。そして、我々二人の前を通るときにお手伝いさんは膝を擦るようにして横切るのだ。私はその様子を大変気分を悪くして見ていたが、ついに耐え切れず同級生に向かってこう言ったのだ。「あんなことをさせるな。君はそんなに偉いのか。女王にでもなったつもりか。」と。 実は、横浜の貿易商だった私の母方の祖父の家に「おさくさん」というお手伝いさんが居た。おさくさん専用の部屋もあった。彼女は家族の一員ように大切にされていた。決して召使のような扱いはされていなかったのだ。それで、私は余計に頭にきたのであった。

さて、その後、バンコクで同級生のその娘と話しをし、正にカルチャーショックを受けた。私こそ何も分かっていないというのが彼女の言い分だったのだ。もしもお手伝いさんに良かれと思ってフレンドリーに接してしまったら、彼女に間違った習慣を植えつけてしまう。すると、彼女は他所で雇ってもらえなくなりその後の人生において生活できなくなってしまうのだ。また、庭の手入れ用に芝刈り機を買い与えてしまったら仕事がすぐに終わってしまう。今のままの小さな鋏であれば何人もの男たちが仕事として1年中この家の芝だけを整え続けることが出来るのだ。タイの上層の人々はそうした下級階級の多くの人々の生活を支えることに責任を持っており、そうした強い意識を持っているのだ。まだ学生だった私は何も知らなかったのだ。日本人は階級とかクラスについて何も知らない。日本人の誰もが平気でパリのエルメスやシャネルのブティックへ入って行く。私も人のことは言えない。この旅行中、THE ORIENTAL BANGKOKのle Normandieでネクタイを着用していなかった私はこのフレンチレストランが用意しているおのぼりさん用の貸しネクタイのお世話になったのだから。

しかし、この五つ星ホテルの前に陣取っていた屋台の鶏の足先(指)の照り煮は実に美味かったなあ。

オフィスプロモ株式会社 代表取締役 古荘洋光

2011年6月4日土曜日

コーヒーの淹れ方

ペーパーフィルター、フレンチプレス、スイスゴールドフィルターなどなど。色々試しましたが今はこの方法に落ち着きました。ドリップ式ではこの方法をお勧めします。
ヤフオクで100円で落札させていただいた龍文堂製。鉄瓶で湯を沸かすとまろやかな味になるような気がします。ステンレスケトルほど少しずつ注げないのは残念なところではあります。綿100%の布を使います。これが重要です。ネルではなく平織りをお勧めします。写真の布は医療用のコットンを丸く切り抜いたものです。ペーパーフィルターは木の匂いがするし、きめが細かすぎる。ネルは使用に煮沸や水に浸したうえでの冷蔵庫保存など手間がかかり過ぎますが、この布ならお湯で手洗いして干すだけです。平織りですからすぐに乾きます。もちろん、ネルで言われるような嫌な匂いは皆無です。
豆はお好みで、ただし、コーヒーを淹れる直前に手で挽きます。自分で生豆からの焙煎もやりましたが、台所が飛び散った薄皮で汚れますのでやめました。手で挽くと、電動機械の高速回転と違い熱が発生しないと言われますが、家に電動機械が無いだけなのです。この儀式が期待を高めるのだと思って頑張って挽きます。挽き立ての良い香りはいつでも幸せな気持ちにさせてくれます。因みに薄皮を取り除く効果はそれほどありません。私は、焙煎後の豆をぺティナイフでひとつひとつ割り、中のシルバースキンをすべて排除したことがありますが、苦労ほどの成果はありませんでした。(シルバースキンだけでお湯を注し、どんな味になるのかもやってみました。)まず、豆抜きでお湯を通します。器具が温まり、コットンも湿らせることができます。カップも温めておきます。次に豆を、湿らせたコットンの中に入れたら、今度はなるべく少しずつ雫を垂らすようなつもり豆全体を湯で濡らします。よく、蒸らしといわれる作業です。(私はこの蒸らしだけを温めた赤ワインでやってみたこともあります。)下からコーヒーの最初の一滴が落ちたらそれ以上は湯を注さず暫く置きます。30秒ほど経ったら、豆より上にはお湯を溜めないつもりで、ゆっくり、じっくりと入れます。一気に入れると何故か渋皮のような匂いばかりがします。ここでは、急いでも得られるものは何一つありません。さあ、コーヒーが入りました。写真はどちらもデミタスカップです。手描きのアウガルテンの絵付けは明らかに柿右衛門の影響を受けています。アウガルテンは独身時代の妻からのプレゼントですが、今は何故か主に妻が使っています。大倉陶園のカップは結婚祝いに母から(母は祖母から)譲り受けたものです。いずれにしてもたくさんは抽出しないことです。その理由はたっぷり抽出している最中にちょっと別のカップに抽出途中のコーヒーを入れて味見をすればお分かりになるはずです。たっぷり飲みたい時、私は丁寧に入れたコーヒーに沸かしたてのお湯を注しています。と言っても、あまりやらないですが。表面に浮いた油分。えっ?不味そう?いや、これがコクと旨味には必要なのです。ペーパーではこれが出せません。エスプレッソではこれが100%味わえます。ですから、どんな入れ方をしたところでドリップは、正直、エスプレッソには敵いません。 コーヒーを注ぎ終わったポットの底にはこれ位(もやもやと)コーヒーの微粒子が残ります。決してざらざらとはしません。巷ではスイス製のゴールドフィルターの評価はすこぶる高いですが、私にはざらついた口当たりがとても耐えられません。 紙は臭う。ネルは手間がかかる。フレンチプレスは論外。紅茶ならまだしも、あれをコーヒー器具として売るのはいかがなものかと。ゴールドフィルターもざらつく。どの方法にも欠点があるのです。一方、平織りのコットンは、油分やコクが充分残り、まろやかで深い味わいのコーヒーを引き出します。ドリップでしたらこれが私の一番のお勧めの方法です。


豆にもいろいろあり、ほとんど試しましたが、正真正銘本物のコピルアク があるのなら是非一度飲んでみたいですね。

オフィスプロモ株式会社 代表取締役 古荘洋光