2011年9月23日金曜日

結婚記念日


結婚9年のお祝いにとっておきの場所で食事をした。テーブルには自社農園の蘭の花。蘭は、百合の雄しべの様にご婦人のドレスを汚すこともなければ、薔薇の様にワインの香りに悪影響も与えることもないのだ。この日、私たちは貸し切りの様に贅沢な時間を過ごすことができた。ブルターニュホロホロ鳥とフォアグラ、豚足と天然茸と魚介の組み合わせ、オックステールをほぐし網脂で包み焼きマロングラッセと濃厚な赤ワインソースと合わせた逸品等を堪能。
実は予約の際、最近白カビのものに凝っている妻のために、支配人様に特別にチーズの講義をお願いしてあった。チーズの参考書片手に丁寧なお話。チーズの美味しさは熟成に由る処が大きいことを思い知らされた。実際、成城石井で買ったものとこちらで頂くのとでは同じ銘柄のチーズでも全くの別物だ。ここは、本物のレストランがどういったところであるべきなのかを教えてくださる。
別に用意されたクリームと一緒に口に含むとねっとりと舌に絡みつくガナッシュの味も最高なのだけれど、私はこちらの無花果のタルトには強い思い入れがある。このタルトをあの時頂かなかったら私の世界は広がらなかったであろう。いつも毒舌気味な私のブログであるが、こちらのレストランには困ったことに不満な点などただの一点も見当たらないのである。あえて申せばどの料理も魅力的で食べ過ぎてしまうということであろうか。妻もそれまでは「もう、これ以上食べられない。」と言っていたにもかかわらず、美味しそうなチーズを見ては目が輝き出し、ワゴンのデセールに至っては全種類のサーブをお願いしたのだから。いや、お恥ずかしい。

オフィスプロモ株式会社 代表取締役 古荘洋光